1)スレート屋根材とは
スレートとは、セメントを薄く加工した屋根材です。価格が安く軽量(屋根が軽くなるため家全体の耐震性が高くなる)なため現在の屋根材で一番利用されています。台風などによる飛来物の影響や大きな雹害がなければ、一定のメンテナンスを行うことで30年程は使うことが出来ます。日本瓦やガルバリウム鋼板(金属)に比べ耐久性は劣りますが、工事がしやすい、メンテナンスの対応方法も多いなどメリットがあります。
スレート屋根の一例
2)メンテナンスについて
さて、メンテナンスですが、5年毎に割れ、剥がれ、表面劣化など信頼できる専門家に調査していただくことをお勧めします。2階から見える部分は、セルフチェックも可能ですので、たまに確認してみてください。色褪せや割れなどは、専門家でなくても気が付きます。しかし、いくら自分で確かめたいといっても大屋根に登るのは非常に危険です。無理をせず専門家に任せましょう。
※株式会社大登では、ドローンによる診断を実施しています。モニターでお客様もご確認いただけます。
思ったより汚れていたケース
※調査の結果、老朽化が進んでいる場合は、塗装ではなく葺き替えやカバー工法(古い屋根のうえに軽い屋根をかぶせる工事方法のこと。葺き替えより安くて速い。)をお勧めする場合があります。
5年毎の専門家のチェックで多少の補修はあっても、大きな問題がなければもう5年後となりますが、10年毎には塗装をご検討ください。『スレート屋根を17年間メンテナンスしていない』というお宅にお伺いしたことがありますが、幸い雨漏りにつながる大きな亀裂やヒビはなかったものの、こびりついた汚れを落とすのが大変でした。塗装の仕上がりも最大限の努力はしたもののいまひとつの印象でした。ある程度キレイな内にメンテナンス、塗装するからキレイやスレートの性能が蘇るのです。早めのご判断をお勧めします。
洗浄して補修をしました。
上塗り直後の蘇った屋根
3)塗料選び
屋根塗装をご決断されたら、塗料を選択します。塗装業者もいろいろ提案してくれますし、今はインターネットでも調べられます。予算との兼ね合いもあるでしょうが、SDGsを意識することが必要な現在では、遮熱効果(太陽光、赤外線を反射し屋根の表面温度の上昇を軽減してくれます。室内温度の上昇も軽減しますので、電気節減になります。)のある塗料をお勧めします。今後の屋根の10年を託すのですから、十分にご検討ください。
☆☆1ポイントアドバイス☆☆
屋根塗装には、当然足場が必要です。外壁塗装でもほぼ同じ足場が必要になります。外壁塗装とタイミングを合わせ同時にしてしまうと、足場代の節約になります。『外壁塗装は5年前にしたのに・・・・・』のような場合は、現在の外壁の塗料は長持ちするものもありますので、無理に同時にする必要はありません。塗装業者に相談してみましょう。
4)屋根塗装
スレート屋根の塗装は次の手順となります。
下地処理・・・高圧洗浄で付着した汚れ、コケなどを落とします。そしてひび割れや欠けている箇所の補修をします。状況によりその部分のみ交換が必要になる場合があります。
下塗り・・・・下地材を塗布します。中塗り、上塗りの接着を良くします。
中塗り・・・・中塗り、上塗りの塗布は、塗膜を厚くし、塗料の性能を十分発揮させ、丈夫な屋根を作ります。
上塗り・・・・中塗りと同じ塗料を塗布します。
縁切り
※縁切りとは
スレートの屋根を塗装すると、スレートの重なり合う部分まで塗料が廻り、本来雨水がスレート内部に滞留するのを防ぐ出口が塞がってしまいます。そのスレートの重なりにカッターを入れて出口をつくることを縁切りといいます。縁切りは必須作業です。
最近はタスペーサーと呼ばれるスレートの重なり合う部分にはめ込み雨水の出口をつくる製品が使われることも多くなっています。タスペーサーは優れもので、はめ込むだけなので、カッターで行う『縁切り』より時間はかかりませんし、縁切りの技術も必要ありません。そして、最近施主様からも作業結果が目で見えますので、ご要望いただくことが多くなっています。
いかがでしたか?スレート屋根のメンテナンスと塗装のタイミングがご参考になりましたでしょうか?最後までご覧いただきありがとうございました。